子供の頃テレビでやってた「美味しんぼ」ってあったでしょ?
子供心にずーと印象に残ってた話があって、
その話はむちゃくちゃうろ覚えだったので、
どんな話だったのかを今さら調べてみたんですけどね。
その話、甘味やさんの話で、
まぁ、お汁粉とか、ぜんざいとか、あんみつとか、
そういう、甘いものを出すお店のストーリーだったのね。
どうも、「恋とお汁粉」っていう話だったらしく、
その話がえらくインパクトがあって、
ずーっと覚えていたんですけど。
まぁ、ざっとおさらいすると、
甘味どころの娘かよと、老舗和菓子屋の息子が恋に落ち、
結婚したいってことになったのよ。
でも、甘味どころの娘かよは一人娘なんで、
和菓子屋の息子が婿に来なきゃいけなくて。
でもまぁ、そもそも和菓子屋の息子なんで、
多少ウデに覚えはあったのね。
だから、和菓子で培ったウデがあれば、
甘味どころくらい継げるさ♪ってな感じで、
さっそくぜんざいだのお汁粉だの、作って披露したの。
そこはさすがに和菓子屋の息子。
上品でおいしいぜんざいやお汁粉をどんどん作るんだ。
ところが、かよのお父さんは「素人料理だ」って一蹴。
『お客さんに不誠実だ』って言い放って去ってしまうの。
何がどうダメなのか、途方にくれるかよと和菓子息子。
で、主人公山岡に相談するの。
山岡は和菓子息子の振舞う料理を食べて納得。
こんな感じのことを言うんだよ。(まぁ、大体こんな雰囲気)
「甘味どころに来るお客さんは、
強烈に甘いものに飢えているんだ。
でも、普段はビシッと決めた会社員とか、
甘いものなんて興味もないようなフリのおじさんとかね。
甘味どころに入るなんて女子供じゃあるまいし、
カッコ悪いし恥ずかしい。
でも、でも、甘いものが食べたくてたまらないって、
まるで禁断症状でも出たみたいになって、
意を決して飛び込むようにしてやってくる。
そんなお客さんが欲しいのは、
いくらでも食べられる上品な和菓子の甘さなんかじゃない。
たった1杯で手足がしびれるほど満足させる強烈な甘さだ。
それが甘味どころのお汁粉の使命だ」
あぁ、納得!!!
なんか、いろいろ納得するよね~。
『お客様に誠実』って、
自分の基準じゃなく、相手の状況だもんね。
昔「笑っていいとも!」で明石家さんまも言ってたけど、
マックのドライブスルーに一人で行って、
誰も見ているわけじゃないけど、どーしても、
「バニラシェイク」って言えなくて、
「アイスコーヒー」って頼んでしまう。
大の男がそんなもの・・・みたいな、プライド?
でも、でも、実はバニラシェイク大好き。
あー、これは実際たくさんあったなぁ。
意を決するように、それこそ何か思いつめたみたいに、
なぜか声をひそめて「バニラシェイク」っていうミドル男性。
多分さ。
ネットビジネスの入り口で立ち尽くす初心者の気持ちって、
こんな感じもすごく大きいと思うんだ。
見たい、知りたい、やってみたい。
でも、でも・・・みたいな。
だからさ、考えるんだよ。
私ができる「1杯で手足がしびれるくらい甘いお汁粉」って、
どんなコンテンツなんだろうって。
でさ。
意を決して声をひそめて注文したバニラシェイクをさ、
客席の隅っこで幸せそうにチュウチュウしてる
ミドルエイジのお客さんのあの満足げな顔、
忘れられないなぁ・・・なんて、思ってみるのでした。